広東料理の特徴


ヘビ料理中心の「蛇餐館」と、ヘビも食べさせますが、ほかにもいろんな野生動物とかイヌも食べさせる「野味香」とが有名です。


これらの大小「野味店」に、野生動物を集めてきて、専門に供給する「華南動物店」という名の店などがあります。


センザンコウもいれば、ミミズクもいます。


オオサンショカウオもいれば、ハクビシンもいるのです。


そしてみっつ目の特徴は、風味を尊重すること。


この点もやや日本的でしょうか。


魚やエドをイケスから生きたのをとりだし、その新鮮な風味をよいとします。


海外旅行などで中国へ行くと、こうした食文化の違いにまず驚かされますね。


・・・以上はきわめて大ざっぱな話にすぎません。


しかし、いきなりこまかな特徴を羅列してもはじまらないでしょう。


つぎは広東料理の形成史といった面から述べることにして、そのなかでよりこまかな特徴が、ごく自然にわかるように努めましょう。

海外ツアーで外国へ行くと・・・


日本では、1日じゅうひっきりなしに客があります。


午後の3時か4時にビフテキを食べようとしたら、どの店もしまっていた、というようなことはありません。


・・・しかし、日本以外の外国のおおくでは、たいてい一定の時間帯でしか昼食を提供しないし、夕食も提供しません。


中国は、この点でもヨーロッパにむしろ近く、おなじ東洋人だといっても、日本的でないのです。


しかし、広東、とくに広州の場合は、日本そのままという程度までいかないのですが、かなり日本的だといえるでしょうか。


海外ツアーなどで外国に行くと、まずこうした文化の違いに驚かされますよね。


ふたつ目の特徴は、いろんな野生動物を食べること。


冗談にちがいないのですが・・・


かれらは「ニ足のもので食べないのは両親だけ、四足で食べないのは机と椅子だけ、飛んでいるもので食べないのは飛行機だけ」といいます。


各種の野生動物を食べさせる店は、「野味店」といいます。

海外旅行の楽しみは・・・


「四人組」の粉砕以来、小さな屋台級の食べもの屋は、どんどん復活しています。


たいてい「三茶両飯」といって、三食とも茶が付き、朝食以外のニ食が朝食にくらべかなり重い食事をとります。


朝は5時ころから茶付きの軽食店が開業します。


これは大きな料理屋でもおなじで、いわゆる「飲茶」形式の食事が提供されるのです。


また、それだけでなく、各種のお粥だけを売る店、メン類だけを売る店なども開業します。


そして、たいていは9時ころに閉店してしまうのです。


昼食は午前10時半になると食べられるのですが、これは「飯」とされる軽食でないほう。


これも2時ぐらいには閉まります。


午後は4時半から9時まで、やはり「飯」を提供します。


ただし、真夜中まで開くのを専門とする屋台店もあります。


海外旅行の楽しみのひとつはやはり食事。


日本にはないような屋台を食べ歩くのも楽しいですよね。


国内・国外の味覚を吸収し発展させる広州


狭義の広東料理は、広州とその周辺地域の料理だけを指します。


・・・しかし、広義のそれは、広州料理、潮州料理、東江料理(客家料理ともいう)、海南料理を包含します。


つまり、広東省全域の料理を指すのです。


ここでは、広東料理という場合は、広義のほうをとり、こまかな話をするときは、広州料理、潮州料理、東江料理、海南料理と区別して使うことにします。


ただし、海南島にはまだ行ったことがないので、海南料理の話は出て来ることはありません。


広東料理、とりわけ広州料理は、料理と一口にいっても、一席千元(一元は約130円)の宴会料理もあれば、きわめて安いワンタンメンのようなものもあります。


しかし、その特徴のひとつは、昼夜を問わず、どこでも食べもの屋があることでしょう。


海外に行くならこういう場所を訪れるのもいいと思います。


中国はとにかく広い!


中国は広大ですので、中国の食べものについて論ずる場合には、統一性のある面と、多様性のある面とを忘れずに考慮して、その論を展開しなければならないように思われます。


・・・といっても、ここで中国の食べものを総合的に考察することは不可能です。


ここでは、「食は広州にあり」といわれている広州を中心に、広東の料理について述べることにします。


しかし、そういうふうに限定すると、「中国菜南北」という表題に偽りがある。


・・・と指摘されるかもしれないのですが・・・


広東の食べものに限定はしても、特殊な角度からではありますが、「中国菜南北」について論じることが可能だと思っています。


四川料理はトウガラシ味でピリピリするとか、広東料理はあっさりしているとか・・・


あまりにも物事を典型化してしかとらえられない人びとにとっては、これから述べる広東料理の内容の複雑さなどは、とうてい想像できないことかもしれないのですが、まずは忍耐していただきたいと思います。


海外旅行で人気の高い中国。


やっぱり中国は広いですね。

本場のワンタンは皮が厚いか薄いか


質素な生活は、財を成してからも守ったのです。


食生活だけでなく、かれら一世たちは、生活のすべての面でつましいものです。


・・・しかし、その息子や孫の代は、そんな苦労を知らないから、すべての面で華やかにやろうとします。


ところが、人間の舌というものは、味だけでなく、歯ざわりにいたるまで、かなり保守的にできているようで、食生活だけは親や祖父の代のを踏襲することはめずらしくはないのです。


・・・というわけで、ギョウザは皮の厚いものだと思いこんでいる次第になります。


以上、漫才からはじめて、ワンタンとかギョウザの皮の話を紹介しました。


海外ツアーで人気のある中国では、おなじものでも、この皮のように、南と北で相違する場合があり・・・


またおなじ北のなかでも、ところによっては厚いのが薄いのより日常的だとされていても、一般にはやはり薄いほうがよいということでした。


本場のギョウザを食べよう!


元来、ワンタンにしろ、ギョウザにしろ、その皮は華南のにくらべると華北のはやや厚いものです。


・・・そうはいっても、おなじ華北のなかにおいては、たとえにあったように厚いのより薄いほうがよいとされているのです。


けれども、日本在住の華北出身者の経営する中華料理店では、「わたしたちの本来のギョウザというものは、日本人のつくるそれより厚くするものだ」と得意顔にいいます。


たしかに華北のギョウザだけでなく、華南の、より薄いギョウザでも、日本のよりはやや厚いです。


しかし、かれらのいう厚いギョウザは、厚いほどよいといいます。


かれらはそれではウソをいっているのでしょうか。


いや、そうではありません。


じつは、かれらの先代は、大体において山東省北端の田舎出身者が多いです。


比較的貧しい出身でした。


ですから、中味のあんに対して、小麦粉の皮の厚いギョウザを日常食べていたのです。


せっかく海外旅行で中国を訪れるなら、こうした本場の中華料理を食べたいですよね。


海外に行くならドコがいいかな?


中国ではこの暴露のことを「料包祇」というのですが、「包祇」の忌むべきことのひとつとして、「忌厚」というのがあります。


暴露したにもかかわらず、理解するのにいささか考えを覧するものは、おもしろさがピンと来ません。


・・・それでは、なんのための漫才かわからなくなります。


この種の「包祇」は、「皮児厚」と称され、忌むべきものなのです。


逆に、暴露したら、すぐに笑ってもらえるのは、「皮児薄」と称されています。


「相声」の解説書をみるとおもしろいたとえで「皮児厚」と「皮児薄」とを解説しているものがありました。


それには、「包祇」というものは、「饒鈍」(ワンタン)とおなじで、皮が薄く、「飽」(あん)がおおけれぼうまいが、皮が厚く、あんがすくなければまずい、となっていました。


中国の漫才は、いまでこそラジオやテレビで全国にも放送され、放演されてはいますが、もともとは華北の芸能でした。


そのたとえ話に使われたワンタンの皮が、薄いほどよいとされているのを、わたしはたいへんおもしろく受けとめたのです。


海外に行くなら中国がおすすめですね!


中華料理を食べに行こう!


ウェリントン公爵は果たして、シェフが嘆くほどの味覚オンチであったのか・・・


それともフランス料理にうつつを抜かすイギリス貴族社会の風潮に、意地を張って抵抗していたのか・・・


さぞかしウェリントン公爵の心のなかは、複雑であったにちがいません。


それにしてもビクトリア女王をはじめ、貴族の催す正式の晩餐会のメニューといえば、フランス料理と決まっていたのです。


いまでも、たとえばロンドンのコンノート・ホテルでは、19世紀末そのままのフランス料理が、こまかなサービスとともに味わえます。


海外旅行でここを訪れるのなら、ぜひ一度足を運んでみてください。


さて、では次に中国について書いていきたいと思います。


しばしば冗談に、二足のもので食べないのは両親だけ、四足のもので食べないのは机と椅子だけ、飛んでいるもので食べないのは飛行機だけ・・・


・・・といわれる広東の料理には、広大な中国の味の、ほとんどが集約されています。


食べものに関して書くのだけれども、まず漫才の話からはじめさせていただきます。


中国の漫才は、「相声」とよばれています。


「包祇」はフロシキのことでありますが、漫才用語では、隠されている笑いのネタのことをいいます。


・・・それは、ひとつの漫才において、いくつか設定されており、最後にあたかもフロシキ包みを解いて中味をみせるかのように、パッと暴露して人びとを笑わせるからです。


海外旅行する前に・・・


ナポレオン戦争でイギリスがフランスに大勝したにもかかわらず、料理文化では逆にフランス料理に屈するというのは・・・


イギリス人としていかにも悪塊に堪えなかったにちがいません。


ナポレオンの軍隊をウォータールーの戦いで破ったイギリスの英雄は、ウェリントン公爵です。


そのウェリントン公爵家が雇ったのは、フェリクスというフランス人シェフで、シェフのなかでももっとも腕ききの1人でした。


しかしフェリクスはまもなく、ウェリントン公爵の味覚オンチに愛想をつかして辞めてしまいました。


そのときのかれの言葉が振るっています。


「自分は腕によりをかけて、他のシェフが羨むほどの最高級のディナーをつくって公爵に差しあげたが、公爵は美味しいともなんともいわなかったのだ。


それではと試しに、今度は料理女が適当にこしらえた、ひどいディナーを供してみたところ、それに対してまずいともなんともいわなかったのである。


公爵がどんな偉大な英雄であるにしても、自分としてはそのような不粋な主人のもとではとても暮らしてゆけない」と・・・。


海外ツアーで外国へいくのなら、その国の歴史や文化を下調べしてから行くとさらに楽しい旅行になるでしょう。